クリニック通信

2018.07.13更新

梅雨も過ぎ、いよいよ本格的な暑さの日々が続きます。
今回はこの季節特有の熱中症についてお話をさせていただきます。

熱中症とは
熱中症とは医学的には「暑熱環境における身体適応の 障害によって起こる状態の総称」と定義されています 。
つまり体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のことをいいます。

熱中症の要因
熱中症には“環境”、“からだ”、“行動”の3つの要因が関わっています。
“環境”の要因とは一言で言うと気温・湿度が高い状態のことです。“からだ”の要因とは体力や抵抗力の低下した状態のことです。“行動”の要因とは激しい運動や、屋外での作業を行う状況などです。
これらの要因が加わって汗が出なくなり、体温調節がうまくできなくなると熱中症を発症します。
また注意が必要なのは、日中のみならず夜中でも熱中症は起こる!!ということです。蒸し暑い屋内はたとえ夜中でも熱中症が忍び寄っているということを忘れないでください。

発生頻度
熱中症は夏季に見られる特有の病気です。統計(厚生労働省保険局総務課保険システム高度化推進室)によれば6月から9月の期間に熱中症で医療機関を受診された患者さんは40万人にも及びます。
そのうち入院が必要となったのは3万5千人で、550人の方が命を落とされています。
決して侮れない夏の病気です。

熱中症の症状
体温が上昇したり、脱水による症状が主な症状です。
具体的にはめまい、ほてり、筋肉痛、こむら返り、けいれん、だるさ、吐き気、脱力感、高体温、皮膚の乾燥、呂律困難、歩行できない、頭痛、頭がぼーっとする、意識障害などです。

熱中症にかかりやすい人
スポーツ中の若年男性、屋外で労働中の中壮年男性、高齢者、乳幼児に多いとされています。
また屋内でも高齢者、独居者、寝たきり、基礎疾患を有する人、乳幼児は特に注意が必要です。
それ以外の方にも起こる病気ですので、全ての人が注意するように心がけることが大切です。

暑さ指数
熱中症にかかりやすい気象条件が報告され、特に気温、 湿度、風、日射・輻射の気象条件を組み合わせた暑さ指数(WBGT)がもっとも信頼できる目安として推奨されています
暑さ指数25〜28は警戒、28〜31は厳重警戒、31以上は危険という指針が出されます
警戒:運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。
厳重注意:外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。
危険:高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。
テレビの気象情報を見ることも大切で、環境省熱中症予防サイトにも各地域のリアルタイムの情報が掲載されていますので参考にされるといいと思います。

※熱中症予防情報サイトはこちら


熱中症の予防と治療
体温が上昇しないように涼しい服装、日陰を利用、日傘や帽子をかぶるなどを心がけましょう。日中は不必要な外出を避け直射日光を避けましょう。
また塩分と水分補給が大切です。塩分は0.1%〜0.2%程度の濃度が適切ですが、さらに糖分が含まれていることでより効率的に水分が体に吸収されます。
手っ取り早く飲むのであれば、市販の経口補水液が望ましくWHOでも推奨されています。一般のスポーツ飲料でも支障ありませんが、塩分濃度が薄く、糖分が多い傾向にありますので、特に中高年以上の方、糖尿病の方は飲みすぎに注意することが必要です。
また嚥下機能の低下した高齢者では誤嚥による肺炎のリスクが高まりますので、ゼリータイプのものを注意深く飲まれるといいでしょう。

水分補給で注意していただきたいことがあります。テレビ等でも熱中症予防にこまめな水分補給をと訴えていますよね。クリニックに来院された患者さんに水分補給はどうされていますかと尋ねると水やお茶とお答えになる方が多くおられます。適度な塩分や糖分を含まない飲み物はかえって脱水症を悪化させることがありますので特に注意が必要で、できれば経口補水液を飲むことをお勧めします。
かかりつけ医に水分や塩分、糖質の制限を受けている人は、かかりつけ医と相談の上、指示を仰いでください。

こんな時は医療機関に受診
上記の熱中症の症状があり、特に意識がない、歩けないなどの状態の時は命に関わるサインですので、救急車を呼んでください。
また自分で水分補給できない時や迷った時は医療機関に受診することをお勧めします。

投稿者: 甲斐内科消化器内科クリニック

2018.07.06更新

麻疹ワクチン、風疹単独ワクチンは供給不足状態が続いていますが、麻疹風疹ワクチン(MRワクチン)は接種していただけるようになりました。麻疹(はしか)抗体のない方、風疹抗体のない方、両方の抗体のない方は接種することをお勧めします。1回でも十分効果が期待できますが、2回接種することでより抗体獲得率が高まりますので出来れば2回接種をご検討ください。接種間隔は1回目の接種から1ヶ月以上の間隔が必要です。わからないことがあれば、ご来院していただくかご連絡いただければ説明させていただきます。

投稿者: 甲斐内科消化器内科クリニック

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